ベストプログラミング  byゆじん

子育てのために健康・医療を独学中。サッカー、ランニング、健康についてわっかったこと発信

災害ドクター世界を行く

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災害ドクター、世界を行く!

災害ドクター、世界を行く!

 

 

紛争地帯や難民への医療

銃弾が飛び交い、爆撃され、地雷を踏み、粉じんがまい、水は汚染され、食料もなく、肉親が目の前で殺される。そんな中での疾患は、銃弾による筋肉の座滅、骨折、神経血管の損傷、胸の気胸(気胸に対しては管を入れ血液を出し輸血、酸素) 熱傷 切開排膿抗生剤の必要な膿など…銃弾や破片などで汚染は強く、外傷では感染が一番重要視される。それに対処するためには、洗浄と抗生剤が必須である。

また、不潔な環境や低体温(赤ちゃんはおしめで濡れることで)、不潔な水による下痢から脱水を起こすなどにより命を落とす人もいる。

避難所の寒さにやられて肺炎になる人もいる。

栄養(食料)、清潔にすること(環境整備)、保温、温かいお湯、水分ときれいな水、安静=ストレスの軽減がいかに大切か知ることができた。

 

高所登山での医療

高所が人間に及ぼす最大の障害は酸素が少ないこと。8000mで地上の3分の1しかない。

しかし人間の身体はこれに適応しようと赤血球数を増やす。正常で450万くらいのとこ6000mで600万と増やしていく。この増やし方が足りない人が高山病を起こす。赤血球が増えるということは、血液の固形成分が増えるということであり、血液はドロドロになり血管はつまりやすくなる。脳でつまると脳血栓となり、痙攣や意識障害を起こす。鎮静剤、酸素投与、補液により対応。

また酸素不足になると肺に血液を送り込む右心室に強い負荷がかかり、心筋に栄養を送る冠動脈も強い影響を受ける。

脳も酸素不足により思考力が鈍ってくる。(現場での筆者は100から3ずつを引く計算でどこまでできるかやってみる。85以下からもうできない。)

 

全体を通し、国の方針と現場の実情の食い違いで何度も筆者が悩んでいるのが印象的であった。やっぱり会議室でなくて現場…